フレンチブルドッグについて
原産国:フランス
毛色:パイド、ブリンドル、クリーム、フォーン
寿命:10歳~13歳
体高:23cm~31cm
体重:10kg~13kg(8kg~14kg)
特徴:大きなコウモリ耳と、強面にみえておどけた顔。
性格:活発で朗らか、陽気で甘えん坊
かかりやすい病気:アレルギー性皮膚炎、膿皮症、熱中症、眼瞼内反症、股関節形成不全、椎間板ヘルニア、乳腺腫瘍、肥満細胞種
フレンチブルドックの特徴
フレンチブルドッグは鼻が短い短頭種(たんとうしゅ)で、頭が大きく筋肉質のがっちり体型。
「コウモリ耳」といわれるピンッと立った大きな耳が特徴的で、海外では「バッド・イヤー」とよばれています。
毛は短いけれどやわらかく、つやつやとした光沢があります。尻尾は生まれつきとても小さいため、尻尾から感情を読みとることはできません。
しかし、他の犬種に比べて白目の割合が多く口も大きいため、表情がとっても豊か。
気持ちがそのまま顔にでるので、表情から感情を読みとることができます。
体高は28~33cm、体重は11kgが平均だと言われています。
フレンチブルドッグの性格
フレンチブルドッグ温厚な性格ですが、交配のために混ざったテリアや牛追い犬の血が混ざっている為、怒ると噛み付く性格の子もいます。
陽気で穏やか、友好的な性格の子もいれば、少し荒っぽい性格の子もいます。
フレンチブルドックの歴史
フレンチ・ブルドッグの原産国はその名の通りフランスですが、その誕生にはイギリス人やイングリッシュ・ブルドッグが関わっているという説が有力です。
イギリス人がフランスに連れて行ったイングリッシュ・ブルドッグとパグやテリアなどの犬種が交配され、フレンチ・ブルドッグが誕生したといわれています。
闘犬のブルドッグを先祖に持つフレンチ・ブルドッグですが、改良を重ねる中で温和な性格になっていき、愛玩犬として貴族の間で大変人気になりました。
そんなフレンチ・ブルドッグは、先祖であるブルドッグの原産国イギリスに逆輸入されたという歴史を持っています。
フレンチブルドッグの病気
アレルギー性皮膚炎
フレンチ・ブルドックは、肌が弱く、アレルギー性皮膚炎や膿皮症になりやすい犬種です。
皮膚を清潔に保ってあげることが病気の予防になります。
食物アレルギーや、生活環境のハウスダスト、室内ダニなどが原因で、皮膚炎になるケースがよくあります。
皮膚になにか当たって、その刺激から皮膚炎になる場合もあります。
獣医師を受診し原因やアレルゲンがはっきりさせて、それを取り除く食事療法や対症療法で治療します。
下痢
フレンチブルドッグの場合は、他の犬種と違い、腸にタンパクが漏れ出てしまう蛋白漏出性腸炎や、アレルギー性腸炎などが多い一方で、単純な「繊維反応性腸症」という疾患も多いのです。
「繊維反応性腸症」は、フードに繊維を過剰に足してあげないと腸の中で便を固める事が出来ない疾患です。
食物繊維の多い野菜などをフードに混ぜてあげるなどの治療法がありますが、必ず獣医師に相談しましょう。
膿皮症(のうひしょう)
膿皮症とは、ブドウ球菌の細菌感染で起こる皮膚炎です。
赤いブツブツとした発疹が出現し、しだいにドーナツ状に拡がり放っておくと膿が出てにおいがするようになります。
抗菌作用のあるシャンプー療法を行いつつ、抗生物質を投与するのが一般的な治療法です。
シャンプー後に保湿剤を使うなどして皮膚を保護してあげるのも対策の一つです。
熱中症
暑さに弱いので室温管理が必要です。
椎間板ヘルニア
フレンチ・ブルドッグは、生まれつき軟骨の変形を起こしやすく、椎間板ヘルニアになりやすい犬種です。椎間板が脊髄に向かって飛び出した状態が椎間板ヘルニアですが、脊髄が圧迫されると激しい痛みを伴います。抱き上げると悲鳴を上げたり、運動をしたがらなくなったりします。重症になると、後肢に力が入らずに歩行困難に陥ることもあります。腰に負担をかけるような激しい運動やジャンプは避けて、毎日少しずつ筋肉を鍛えることが予防につながります。ヘルニアの悪化を招く体重増加を避けるためにも、ゆっくりとしたお散歩を行いましょう。
その他
上記の他にも外耳炎や、肥満細胞腫、悪性リンパ腫などのがんを起こしやすい犬種です。
悪性腫瘍の早期発見のためにも、定期的に超音波検査を含めた健康診断を受けるようにしましょう。
パグとフレンチブルドックの違い
よく似た犬種であるフレンチブルドッグとパグはよく間違えられますが、耳に違いがあります。
パグは耳が垂れ長なのに対し、フレンチブルドックは立て耳が特徴です。
また、パグは成犬になっても8kg以上成長しませんが、フレンチブルドックはさらに成長して9~14kgほど大きくなりより筋肉質で歯も鋭くなります。
パグは番犬に適さないのに対し、フレンチブルドックは鳴き声もしっかりと大きく、活発、利口な性格で番犬にも向いています。
食事
はじめの食事は、これまで食べていたものと同じものを与えましょう。
もしドックフードを変えたい場合は、少しずつ混ぜて新しいドックフードに慣れさせましょう。
子犬で迎え入れた場合、ドックフードをふやかしてあげましょう。
1日の食事回数は2~3回、食事の量は体重を測り調整しましょう。
生後3ヶ月あたりからふやかす硬さを調整して、徐々にドライフードに慣れさせていきます。
成犬になると胃腸の発達が進むので、1日2食に減らします。
フレンチブルドックは特にお腹を壊しやすくウンチが緩かったりすることも多いので獣医さんと相談しながら体調管理をしていきましょう。
パグやフレンチブルドッグは肥満になりやすいため食事量を調節してあげましょう。
おいしそうにたべるからといっておやつや食事をあげすぎないよう注意しましょう。
清潔
パグやフレンチブルドッグが臭うと言われる原因の多くは顔のしわの部分が不衛生になるためです。
皮膚がたるんでしわがたくさんできます。
特に顔はしわが多く、しわの部分を定期的に拭いてあげるなどしてあげないと、蒸れたり汚れが溜まったりして臭いの元となります。
顔がしわくちゃな分、汚れが溜まりやすいため、パグやフレンチブルドッグは他の犬より不衛生になりやすいと言えます。
臭いだけでなく、皮膚病などの原因にもなるので体は清潔に保つよう手入れをしてあげましょう。
濡らしたタオルでこまめに顔や体を優しく拭いて汚れを取り、その後乾いたタオルで水分を取ってあげましょう。
乾いたタオルで水分を取ってあげないとその部分が蒸れて雑菌が繁殖する原因にもなります。
月に1〜2回ぐらいは シャンプー もしてあげましょう。
清潔にしていれば、臭うこともありません。
ただ、繊細な皮膚であることが多く、外耳炎や皮膚炎を持っているパグやフレンチブルドッグは多くいます。
炎症のために匂いが強くなっていることもあるので、いつもより匂いが強い、あるいはフケや耳垢が出る時にはすぐに動物病院で診てもらいましょう。
生活環境
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は暑さにも寒さに弱い体質です。
飼育環境の気温や湿度には注意する必要があります。
夏と冬は、エアコンを使いながら、室温管理に十分注意してください。
特に暑さにはとても弱く、部屋の中でも、温度と湿度が上がることで熱中症になってしまうことがあります。
夏の室温は25℃前後程、冬は床が冷えていることが多いので、足元の気温が20~25度になっていることを確認しましょう。
室温は良くても直射日光が当たるなど部分的に温度が変わることもあるので注意しましょう。
冷感マットなどを利用して、あらかじめ涼める場所を作っておくなどの工夫をするとよいでしょう。
暖房をつけていても、体が震えるなど寒がる様子があれば、ペット専用のヒーターを使うというのも1つの手です。
しつけ
パグやフレンチブルドッグを迎えたら初めにやっておきたいしつけが「トイレトレーニング」です。
トイレだけでなく、ペットハウスのなかや、その周りを取り囲むように、広い範囲にペットシーツを敷きましょう。
犬が「シーツの上でならトイレをしても良い」と分かるようにします。
トイレトレーニングで大事なのは、犬の「トイレサイン」を見逃さないことです。
排泄したそうな素振りがあったら、すかさずトイレへと連れていってあげます。
一般的に、尿意や便意を感じているときの犬は「ソワソワしている」「落ち着かずに床のニオイを嗅ぐ」「クルクルと回る」というような尿意サインを見せます。
ウンチが出そうなときは、ソワソワやクルクルと落ち着かない雰囲気にくわえ、お尻の穴がちょっと膨らんでくるような様子も見られます。
食事後に排尿や排便をするワンちゃんが多いです。
トイレに行きたそうなら優しくトイレの位置を誘導しますが、体を掴んで無理やりペットシーツに運ぶのはNG。
自然に誘導できるのが理想ですが、無理そうならオヤツを用いて教えていってもいいかもしれません。
トイレシーツの上で排泄できたら、ちょっと大げさなほどに褒めてあげましょう。
最終的には、トイレの周辺だけにペットシーツが残るようにしつけていきます。
しつけが成功する過程で必ずあるのが「失敗」です。
トイレ以外の場所でしてしまうこともあるでしょう。
部屋が汚れると、子犬の失敗を叱りそうになるかもしれませが、大声で叱るのはNGです。
犬に対して声を荒げることなく、そっと片付ければOKです。
迎え入れてすぐの子犬は環境そのものに慣れていない状態。
飼い主さんとの信頼関係もできていない状態できつく叱ると、子犬の気持ちはブルーになるばかりです。
それに、犬的には「トイレの場所をしつけられている」という意識はないため、排泄のタイミングできつく叱られるとウンチすることが悪いことだと思い、叱られることに対し恐怖を覚えます。
それがきっかけで心を開かなくなる恐れも…。
トイレトレーニングがうまくいかずに「食糞」などの問題行動に発展する場合もあるので、気をつけたいところです。
トイレトレーニングでは、叱るよりも褒めるがしつけ成功につながります。
褒めるときは、ちょっとオーバーかな…と感じるくらいでも。
愛犬との絆を深めながら学習意欲を高めましょう。
楽しく遊んでいるなかで、飼い主さんの手をオモチャと勘違いするパグもいます。
噛み癖へと発展する前、子犬の甘噛み程度で「噛むのはダメだよ」と理解させるしつけが大事です。
パグ自身は「噛むことがいけない」と理解していないので、飼い主さんが「なぜ噛むか?」を知り、それに合わせた対策をしながら噛み癖をしつけていくことが大事です。
無駄吠えのしつけは早いうちに。比較的落ち着いた性格のパグですが、子犬の頃は好奇心旺盛で元気なワンちゃんです。
新しいものや景色、音にも興味があって興奮します。
パグの無駄吠えは決して悪気や攻撃、威嚇のための行動ではないので、叱るよりもご褒美を与えるという方法でしつけるほうが、家族と良好な関係を築くことができます。
おもちゃやおやつなどで興味をそらし工夫してみましょう。
散歩
子犬をを飼ったらまずはお散歩ですが、散歩デビュー前に必ず終わらせたいのがワクチンの予防接種です。
予防接種は1回ではなく複数回打つので、動物病院に相談しながら接種スケジュールを決めましょう。
ワクチン接種が終わり免疫がつけばお散歩デビュー。
万が一に備えて首輪やリードはつけて抱っこします。外に出なくても、家の中で首輪やリードに慣れさせておくのもおすすめです。
真夏の暑い時期など地面が熱い時間は歩かせないように気を付けましょう。
子犬のころはまだ外の世界に慣れていないので、様子を見ながら少しずつ散歩に慣れることが大切です。
距離は気にせず最初は近所をまわるところから始めるのがおすすめ。怖がるようなら抱っこして、外に慣れさせてあげましょう。
散歩に慣れた成犬は、1日2回30分前後散歩で良いでしょう。
疲れすぎないよう調節してあげましょう。