チワワについて
原産国:メキシコ
毛色:単色はブラック、レッド、チョコ、フォーン、ホワイト、クリーム、ブルー、イザベラ、グレー、ブリンドル、スポット2色のパーティーカラー、3色のトライカラー、目の上にタンの斑点があるタンカラー。
寿命:12歳~20歳(平均寿命は13歳前後)
体重:理想は1.5~3㎏
特徴:世界最小の犬。大きな瞳、立ち耳、短めのマズルが特徴的な犬
性格:警戒心が強い、怖がり、忠実、やきもち焼き、好奇心旺盛
チワワの特徴
チワワは毛質のタイプで、ロングコートとスムースコートの2種類にわかれます。
短毛のスムースは、光沢感があり、ソフトで滑らかな毛質。
長毛のロングは、毛質がサラサラだったり、ウェーブがかかっていたり、毛質に個体差があります。
スムースのほうが歴史が古く、メキシコからアメリカにスムースコートチワワが持ち込まれてから、パピヨンやポメラニアンを交配させて、ロングコートチワワが誕生しました。
どちらも、夏と冬に換毛期があり、この時期は毛が抜けやすくなります。
チワワは自分の体が小さいことから、他の大きな犬たちから見下ろされて威圧感を感じたりして、臆病になることがあります。
もし迎えたチワワがシャイなタイプだと気づいたら、他の犬との社会化に取り組ませてあげるのがおすすめです。
また、チワワは番犬としての歴史を持つこともあり、非常に吠えやすい犬種です。
散歩中にしっぽを下げて怖がるような様子を見せたら、すぐにおやつをあげてみましょう。
「怖くないよ」「散歩は楽しいんだよ」と継続して教えてあげることで、苦手の克服につながります。
初めのうちは大変かもしれませんが、 努力を惜しまずしっかり指導することで、心身ともに安定したチワワに育ってくれるはずです。
チワワの性格
チワワは明るく陽気ですが勇敢な性格です。非常に保守的で、家族とそうでない人をはっきりと区別します。
そのため、侵入者に対しては非常に敏感に反応し、番犬として優秀ではありますが、怖がりゆえの吠え癖もあります。
チワワの歴史
チワワの起源は定かではありません。
中国原産説、キューバ原産説、マルタ島原産説、ヨーロッパ原産説など、実に様々なストーリーが乱立していますが、最も可能性が高いと考えられるのは「メキシコ原産説」です。
7世紀頃~12世紀頃、現在のメキシコ辺りで栄えた「トルテカ帝国」や、1428年頃から1521年までメキシコ中央部で栄えた「アステカ帝国」では、「テチチ」(Techichi)と呼ばれる小さな犬が飼育さていました。
この犬は、死者の魂をあの世へ導き、悪霊を追い払ってくれると信じられていたため、人の死に際して生贄(いけにえ)として供されていたようです。
遺跡から発見された大量の犬の骨から類推し、この「テチチ」こそが、現在のチワワの祖先であるという説が有力視されています。
現在のチワワの起源となる小さな犬が発見されたのは、1850年。
メキシコのチワワ州で発見されたこの犬たちはその後アメリカへと渡って個体数を増やし、約50年後の1904年、AKCに公認されました
散歩・運動について
超小型犬ということもあり、散歩は不要と間違われることも多いチワワですが、実際には毎日の運動が欠かせません。
散歩は1回15~30分くらいを可能な限り1日2回、雨の日にはたっぷりの室内遊びなどをしてあげるのが理想です。
犬にとって散歩は、運動不足解消だけでなく気分転換にもなるため、できるかぎり外に連れて行ってあげてくださいね。
チワワの心配な病気
膝蓋骨脱臼
チワワのような小型犬に多く見られるのが、ひざの骨が外れてしまう膝蓋骨脱臼です。
足を触って痛がったり、肢を不自然に挙上したまま歩いたりするときは要注意です。
脳脊髄液の流れが滞ったり、産生量が増えてしまうことで、脳を圧迫し、姿勢の異常、失明、歩行異常、グルグル同じところを歩きまわるなどの神経症状があらわれることがあります。
僧帽弁閉鎖不全症
心臓の「僧帽弁」という弁が閉まらず、血液が逆流してしまう病気です。
元気がなくなったり、苦しそうな呼吸が現れたりします。加齢とともにかかりやすくなります。
尿路結石症
膀胱や尿道、腎臓など、尿路に結石ができる病気です。
排尿時に痛がったり、尿が出にくくなったり、逆に頻尿になることもあります。
チワワでは、腎臓の尿細管という器官の異常(遺伝的)の結果生じる、シスチン尿石症というものが起こりやすいことが知られています。
気管虚脱
肺へ空気を送る気管がつぶれてしまう病気で、初期は軽い咳からはじまり、ガァーガァーとガチョウが鳴くような音を出すこともあります。
つぶれ方がひどければ、十分な量の空気が通れず呼吸困難を起こしてしまいます。
免疫介在性多発性関節炎(関節リウマチ)
免疫介在性の関節炎で、中年齢の小型犬に発症しやすいことが分かっています。跛行などの症状がみられます。
骨折
骨折の多くは、飼い主さんの不注意によって起こることが多いです。
特に犬では段差や抱っこからの落下による前足の「橈尺骨(とうしゃっこつ)」の骨折が多いです。
脳炎
「壊死性白質脳炎」という脳炎が、チワワなど限られた小型犬に発生することがわかっています。
意識障害や旋回運動、昏睡などの神経症状がみられます。
淡色被毛脱毛症
遺伝性疾患により、ブルー、グレーなどの淡色の毛が正常に育たない疾患です。
パターン脱毛症
先天的な問題により、耳介部などに脱毛が起こりやすいことが分かっています。
ピルビン酸キナーゼ欠乏症
ピルビン酸キナーゼという酵素が遺伝的に欠乏することにより、赤血球が正常な形を維持できずその赤血球の寿命が短くなります。
これにより重篤な貧血を引き起こす可能性があります。
異常な赤血球は脾臓で分解されるため、脾臓の腫大もみられます。
貧血により、疲れやすい、呼吸が速いなどの症状がみられることがあります。
チワワの寿命
チワワの平均寿命は12~14歳といわれています。チワワが2歳のとき人間の23歳に相当し、3歳以降は1年間で約4歳ずつ年を取ります。
11歳になると人間の約60歳に相当して老化が始まりますが、個体によって差はあります。日本で最も長生きしたチワワは25歳まで生きたそうです。
チワワは体が小さいので短命と思われがちですが、比較的長寿な犬種だといえます。